田原町のペンキ看板

台東区 2007年

 田原町の交差点から、かっぱ橋に向かって歩いていると、出会う大きなゴチック。「白洋包装店」。梱包用資材のお店です。
 看板は交差する二つの通りに面して三面あり、屋号より大きな文字で描かれた取扱品名は、看板の長い方から文字数の多いものが描かれており、それぞれをなるべく大きく掲げて存在感を出そうという、商売に熱心な店主の意欲が感じられるようです。
 白地に黒で大書された文字は、掲げられた当時、田原町の駅の出口からでもくっきりと映えたものでしょう。
 現在では色あせてしまいましたが、そのおかげか職人さんのハケ運びがよくわかります。
 文字のムラを見ていると、まるで活版印刷のマージナルゾーンのようにも見えてきますね。
 残念ながら、この建物は写真の数年後、三階建ての店舗となりました。
 ちなみに「セロパッキン」とは、セロハンを細かくカットした緩衝材で、果物などに使われます。このあたりでは、かっぱ橋にも近いことから、陶器類の梱包にも使われているに違いありません。
 通りを駒形橋に向かって歩き、寿四丁目の交差点を越えたあたりから、豆を炒る香ばしい匂いに気づくことでしょう。豆菓子補 ほていや中塚商店さんです。三和土に据えられたガラスケースには、豆やおかきなどがぎっしり。タイミングが良ければ、その奥に豆を炒る様子が見られます。
 一口食べると止まらなくなります。要注意です。

○白洋包装店

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