田原町の金文字

台東区 2018年

 朝は自宅のある本所から、事務所のある蔵前まで歩いてゆくことが多いのです。
 自宅を出、浅草通りを西に向けて歩き、隅田川からの潮の香りに海を感じながら駒形橋を渡りしばらく行くと、香ばしい匂いが漂ってきます。煎豆の「ほていや中塚商店」さんです。
 見事な金文字看板に圧倒されながら奥を覗き込めば、ガシャガシャ、ぱんぱんという音を立て、店主が豆を炒っている姿が見られます。  店頭に並べられた木枠のガラスケースの中には、ぎっしりと煎りたての豆たちが詰まっており、匂いにつられ、地元の人々がひっきりなしにお店を覗き込んでは、買い求めてゆきます。
 ガラスケース奥の測り、そして坪、たばこコーナー……。今が一体いつだったのかを忘れてつい佇んでしまいます。
 落花生、塩豆、甘いの、しょっぱいの、色々あって迷いますが、迷ったら女将さんおすすめの〝豆づくし〟を買い求め、事務所に急ぐことにしましょう。
 ちなみにこちらの最寄り駅は、銀座線田原町(徒歩一分程度)となります。

○ほていや 中塚商店

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