駒形のタイル文字

墨田区

 デザイナー的にはビットマップフォントを思い出しますが、いえいえ、愛らしいタイル文字文字です。四隅の飾り処理と中央に据えられた小さなランプも含めて、なんとも洒落ているではありませんか。
 自由曲線で校構成される楷書を、ぎりぎりの解像度で表すのも、左官さんの腕によるところ。ひたすら感心します。
 創業年ははっきりしませんが、国土地理院の空中写真を見ると、昭和三八年のものには、それらしき建物が写っています。
 こちらの通りは、『地蔵共栄会』と呼ばれ、春日通りに近いところにもんじゃの名店『おかとく』や、うなぎ『山田家』、看板建築に木製の桟の小洒落た窓が残る中華『駒形軒』、さらには同屋号のお惣菜の『駒形軒』は、お昼時には並ぶ人も出る地元の人気店などあり、昭和の残り香を楽しむ散策ができる通りです。
 残念ながら星乃湯さんは平成二六年に廃業されました。現在無いものをご紹介するのは気が引けるのですが、これらの記録が誰かの記憶の呼び水となって、楽しい思い出につながれば嬉しいなと思っています。
 ちなみにこのあたりには、本所二丁目に『荒井湯』、そして石原三丁目には『御谷湯』があります。どちらもおすすめです。

○星乃湯


惣菜 駒形軒


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