続・見番通り 点景

墨田区

 以前「めうがや」さんをご紹介しました向島の見番通りの周辺。このあたりにも花街の賑わいの残り香は、まだわずかに残っています。見番通り沿いには有名な料亭などもありますが、ここでは通りと交差した小路にある「堅苦しくない」庶民的な文字をご紹介します。
 その名の通り角にあるジューススタンド「カド」さん。
昭和三三年創業の洒落た外観に惹かれ中に入れば、不思議な空間が広がっています。結構な衝撃を受ける店内ですが、どんな様子かは是非ご自身でお確かめください。
 中華と洋食「サカエ」さん。見事な楷書の看板であります。このあたりでの人気も相当なもので、お昼時には、列をなす人々を見ることもあるとか。一度は伺ってみたい町の中華屋さんです。
 BARBERトミタ。サンセリフのコンデンスドに、同じくゴチックの長体。モルタル+タイル張りの外壁は一部パネルに貼り替えられてしまっていますが、黒い鉄骨をリズミカルに見せる意匠は、チューダー朝建築っぽくもあります。
 そして、染物と洗張りの「河文」さん。今で言うクリーニング屋さんでしょうか。こちらも華やかな和装を競った花街ならではのお店ですね。扉や窓がサッシになってしまいましたが、かつてはきっと木の格子戸の粋な意匠だったのでしょうね。
 気になる意匠に度々出会う下町の文字散策。さてさて、次はどちらに向かいましょうか。

○見番通り

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